2020年12月27日(日)
私が生本カレッジ(仮称)に参加して手に入れたのは、日常に紛れて無意識に流してしまいがちな"もやもや"に思う存分とどまれる「非日常のひととき」だったと思います。
もやもやをことばに置き換える作業は、その瞬間の自分と向き合い、他者とつながることで、自分一人ではたどり着けない思考の世界へ導かれていくような感覚でした。
コロナウイルスに翻弄された今年は、同僚との関わりさえ薄くなり、ますます募るもやもやもや…。自粛が明けてカレッジのみんなに再会したとき、このもやをちゃんとことばにできる自分でいようと思い続けることで、本を読むことや考えること、書き留めることをあきらめず、過ごせたような気がしています。
大人になると、仕事関係以外の新しい知り合いや多様な価値観に出会う機会から遠ざかってしまいます。学生時代よりはるかに社会の中でいろんな実践を積んでいるのに、自分の手の届く範囲内でこぢんまりおさまっているなんてもったいない。
偶然出会った12人の大人たちが、自由に問い、語り合い、卒業後もまた集まろうとしているこの豊かさ。非日常だった「問える場」「問いに向き合う時間」「一緒に学び合う仲間」の存在が、いつしか「日常」になっていくといいなぁ。
来年もひきつづき"もやれる"ことの幸せをかみしめている年の瀬です。
中村祥子