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能の扉2026 ~あなたは能の魅力に目覚めるか!?~

伝統芸能学部

こんにちは。
クルミドコーヒー/胡桃堂喫茶店 店主の影山です。

 

意外に身近にありながらも、謎に包まれている伝統芸能・能の世界。その不思議ワールドへとあなたを導く「能の扉2026」、開講いたします。

 
「能の扉」は、2023年、2024年と開講し、計20名ほどの方々からの参加を得ました。
一流の能楽師の方々と出会い、一流の能舞台と出会い、五感で能を味わう機会を経て、みなとは言いませんが、多くの人の「能への扉」が開かれていく様子に立ち会ってきました。何よりぼく自身がその一人で、この間、見た能の舞台が計22番。今では、「推し」の能楽師さんが何人もいて、好きな曲もあって、自分で勝手に予約をして見に行くようにもなりました。
 
「なんでもっと早く教えてくれなかったんだろう」──本学のカレッジマスター、田村民子さんの導きで能と出会って3年。これが今のぼくの偽らざる心境です。
 
言葉遣いの美しさ、神事と娯楽の両極に引っ張られる中で成立する舞台、能楽師さんの声の力と生き様、「報われぬ者たちのうた」をうたい継いできたご先祖さまたちの情緒。世阿弥に会ってみたくなり、自分の所作が美しいかどうかを考えるようになり、ついには、舞台を一幅の絵として美しいと感じる一瞬に出会えるようにもなりました。
 
言葉が分かり、(多少なりとも)歴史や文学が分かる(たとえば源義経といわれれば、ほとんどの人がその人物像をなんとなく思い浮かべられる)。この芸能を、世界で最も深く味わえるのは間違いなく私たちなのであり、そのことの幸福を思ったりもします。
 

 
 「松風」シテ 大島輝久
 
ただ、同時に思うのは、「能の扉」はまだまだ続くなということです。開かれた扉を通って一つの部屋に入ってみたら、そこはまたいくつもの扉のある部屋であったというように。
よく言われる、没入感/トランス状態というほどまでの観劇体験は得られていませんし、相変わらず囃子のことはよく分からない。既存のエンタメに慣らされていると、やっぱりもっとドラマティックに演じて欲しいなと思ってしまうこともありますし、若い人と経験ある人のよさの違いもよく分からない。
一方、扇を持って、基本の型を舞ってみると、それはとても楽しくて、そこに先生が謡(うたい)をつけてくださると、もっと楽しかったりしたので、自分は見る方というより、演る方に興味があるのかもと思ったり…。

 

能の世界、奥が深いです。
そして、その世界を、もっともっと旅してみたいと思うようになりました。
 


 

 
よろしければその旅、ご一緒にいかがでしょう。
 
能を見たことがない、能のことがよく分からない、でもちょっと気になってる…というようなあなた、是非です。本講座はそうした方々に向けてこそ企画されました。
 
これまでともに歩んでくれた1期生、2期生たちも、時折また合流してくれるでしょうし、これ以上ないガイド役、田村さんもいてくださいます。
能楽師さんを筆頭に、行く先々でお会いするこの世界の方々もとても魅力的な方たちばかりです。
そして、旅の途中、ふとした瞬間に、能の歴史650年をつくり、つないできたくださった無数の先人たちの息吹に触れられる瞬間も、きっと。
 
まずは、オンライン説明会(3/7土、3/13金)で、お話、聞いてみていただけましたらうれしいです。

 
ご参加、お待ちしております。

 


講座概要

第1講 能を見る① 実際に能を見てみよう+感想交換会

 

 
 国立能楽堂 4月11日(土)昼公演 能「鞍馬天狗」、狂言「岡太夫」 *概要
 
能を一度も観たことがない人もいると思うので、まずはみんなで能を見に出かけます。色眼鏡をかけず、なんの予備知識もないまま素直に見る体験も大切にしてほしい。だからあえて事前に情報はお伝えしないようにします。いろいろなことが頭に入ってしまうと、味わえなくなる感動もあります。今だけのその経験や感覚、違和感も大切にしてほしいのです。あるいは、「やっぱり全然わからない」という場合もある。どんなところがわからないのか。なにをわかろうとしたのに、わからなかったのか。感想交換会では、そうした疑問や謎をみんなで共有していきます。
 
・国立能楽堂(千駄ヶ谷):ウェブサイト
・国立能楽堂には、飛行機の座席モニターのような字幕表示もあります(字幕を表示させるか、させないかは個人で選べる)。
・感想交換会は、国立能楽堂内の研修能舞台にて実施予定です。

 

第2講 能ってなんだろう?

参加者のみなさんの顔合わせをしながら、それぞれの抱く能のイメージについて語り合いましょう。魅力を感じる人はどこに?分からない人はどこが?謎多き舞台芸術、能。答えを急ぐ必要はありません。まずは一人一人の出発地点を確認しましょう。
能の基礎知識についてはお伝えしつつ、能にまつわる道具(扇や謡本(うたいぼん)など)も、実際に見てもらいます。
 
能が語源になった現代の言葉:ノリがいい/芝居/番組/五人囃子/三拍子そろう/檜舞台
 
<参考資料>
  -能の初心者用の参考本 
  -能楽用語 
  -檜書店note
 

第3講 能の世界に足を踏み入れる(国立能楽堂)

国立能楽堂(東京・千駄ヶ谷)の舞台裏をみんなで巡るバックステージツアーです。出演する能楽師たちが控える楽屋(広い畳の部屋)を見学する他、能舞台の上を歩いてみる体験や、国立能楽堂が所蔵する道具(装束、小道具)を見たりして、能がどうのようにして上演されていくのか舞台裏を体感していきます。
客席(能では「見所」と言います)から見るのと、舞台側から見るのと、印象の違いもあると思います。
 

第4講 能楽師ってどんな人?(謡のミニ体験も)

実力ある若手能楽師として活躍中の武田祥照さんをお迎えして、お話をうかがいます。どのように稽古をして本番を迎えるのか。知っておくと理解が深まる能の約束事、能装束や扇などの道具は、能楽師にとってどのような存在なのか、などなど。能の謡(うたい)も短いフレーズをプチ稽古していただき、みんなで声を出して謡ってみます。
 

 
▽武田祥照(たけだ・よしてる) ウェブサイト
シテ方観世流能楽師。武田尚浩の長男。十二世山階彌右衛門に師事し、年間一三〇を超える能公演に出演し研鑽を積む他、年間50あまりのワークショップを行い、能の普及に勤める。

 

第5講 不思議な不思議な能の音楽

 講師:田邊恭資さん(能楽小鼓方大倉流)
 
能の音楽は、不思議だらけ。メロディが抽象的だし、謎のかけ声とかもあって、どんな風に聞いていいのかわからないという声も多いんです。能の音楽って、いったいどのような仕組みなのか教えてもらいましょう。そして、能で演奏される楽器の小鼓に注目。馬の皮で作られた小鼓という楽器の構造について実物を見せてもらいながら解説してもらいます。
 

 
▽田邊恭資(たなべ・きょうすけ) X
大学時代に能に出会い、国立能楽堂の研修生となる。人間国宝の大倉源次郎に師事。新潟市出身、千葉県在住。実力の高さが認められて、重要な舞台にも多く出演している。

 

第6講 能の動きを、やってみよう

 会場:梅若能楽学院会館内の稽古舞台(東中野)
 先生:梅若紀彰さん(シテ方観世流能楽師)
 

 梅若紀彰
 
能楽団体「梅若会」の拠点・梅若能楽学院会館のなかにある稽古場で、足袋を履き、扇を持って、すり足や基本的な型を実際に体験してみます。服装は洋服でOK。紀彰さんのお稽古は、明るくやさしい雰囲気です。緊張しなくて大丈夫。上手とか下手とか気にしない、気にしない。少しでも自分でやってみると、能の舞台を見る目がずいぶん変わってきますよ。
・参考:梅若紀彰さん インタビュー記事「能はエキスパートたちが生み出す一期一会の世界」(よむナビ)
 
▽梅若紀彰(うめわか・きしょう)
1956年、故55世梅若六郎の孫として生まれる。4歳のときに『鞍馬天狗』の花見で初舞台を踏む。端正で優美な芸が高く評価される。古典のみならず新作能にも積極的に取り組み、幅広く活躍している。

 

第7講 座学4 世阿弥と『風姿花伝』

「650年前、能は観阿弥・世阿弥親子によって大成された」──ここまでは、歴史の授業で習ったりもするでしょう。そして、その秘伝を、実は今の我々も読むことができます。中でも代表的なものが『風姿花伝』です。ここには、「初心忘るべからず」「時分の花、まことの花」「離見の見」「序・破・急」といった、現代にも十分通用する芸能論・表現論が詰まっていて、さらには、プロデューサーでもあった世阿弥だからこその組織論・経営論まで読み込むことができます。
この人類史に誇るべき一冊を、能の扉第1期でもお世話になりました、能楽師・川口晃平さんと一緒に読み解きます。
 

 
▽川口晃平(かわぐち・こうへい) X
シテ方観世流能楽師。梅若会所属。
慶應義塾大学在学中に能に魅せられ能の道を志す。大学卒業後の平成13年、五十六世梅若六郎(現桜雪)に入門、復刻曲「降魔」にて初舞台。平成19年独立。緑龍会、こがねい春の能を主催。重要無形文化財総合指定保持者。能楽普及レクチャーもユニークでわかりやすいと定評がある。小金井市出身。漫画家かわぐちかいじの長男。

 

自主練 「融」について予習する

9月に、本講座では2回目となる能を見に行きます。今回の曲は「融」。
そのあらすじや見どころなどについて、対訳本も参照しながら予習します。
<おすすめ>『対訳でたのしむ 融』(檜書店)

 

第8講 鑑賞前に、知っておきたいこと(能楽師自身による事前解説)

第9講で鑑賞する能「融」でシテ(主役)を務める大島輝久さんにお越しいただき、作品の背景やあらすじ、見どころを解説してもらいます。きっと大島さんが濃厚なお話をしてくれるはずですので、お楽しみに! このお話を聞くことで、今後、能を見るにあたって、どんな予習をすればいいのかという手がかりもつかむことができると思います。
 

 
▽大島輝久(おおしま・てるひさ) Instagram
能楽シテ方喜多流職分。
重要無形文化財総合指定保持者。
能楽喜多流大島家五代目。
3歳のとき仕舞「猩々」にて初舞台。これまでに「猩々乱」「道成寺」「石橋」「翁」「望月」などの大曲を披く。アメリカ、ヨーロッパ、アジア諸国など海外公演にも多数参加。近年では能を全編英語で演じる英語能、能の台詞を手話で表現する手話能、最先端の映像技術を使用したVR能・3D能といった画期的な公演への出演、および企画制作を担当するなど、能の新たな可能性を探る活動も積極的に行っている。
 
<インタビュー>
静けさのなかに生のエネルギーを感じる舞台。意味を追うより場を楽しんで」(PLAZA SMILE)

 

第9講 能を見る② 改めて、見てみよう+感想交換会

 喜多能楽堂 9月27日(日)能「融」、能「六浦」 *概要
 
1回目の鑑賞とは異なる能楽堂で、違う演目の能を見ます。1回目よりも本格的なプログラムで時間もずいぶん長くなります(13時から17時くらい)。以前の自分の感じ方がどう変わるか変わらないか、確かめてみましょう。

 

第10講 能の未来に向けて

自分の中で能というものがどういう存在になったか、自分なりの探求テーマにどんな道が見えたか、みんなで対話をしながら確認していきます。
また、能という芸能にこの先、どんな未来があり得るのか、みなで意見交換しましょう。

 


カレッジマスター


 
伝統芸能の道具ラボ
主宰 田村民子(たむら・たみこ) X
 
1969年、広島市生まれ。伝統芸能の道具についての取材活動を中心に執筆、調査、復元、講演を行う。2009年より能楽、歌舞伎、文楽などの「伝統芸能の道具」に携わる裏方や職人を支援する活動「伝統芸能の道具ラボ」をはじめる。能のお稽古歴7年。長唄三味線お稽古歴7年。東京新聞「お道具箱 万華鏡」、能楽webマガジンNohプラス「能楽を支えるモノと技」に連載中。
 
▽AERA「現代の肖像」(2022年3月28日)
 歌舞伎の小道具復元に奔走、職人の技術を未来へ
 https://dot.asahi.com/aera/2022032500039.html?page=1
 
 

【オンライン説明会】

1)3月7日(土)10:00~11:00


 

2)3月13日(金)20:00~21:00


 
 

【参考動画】

 

 
影山知明とひらく能の扉<全16話>

 
 
 

 
 シテ 武田祥照(撮影 瀬野匡史)
 
 

 
 シテ 川口晃平
 

概要

名称伝統芸能学部
テーマ能の扉2026 ~あなたは能の魅力に目覚めるか!?~
カレッジマスター田村民子
サブカレッジマスター影山知明
アシスタント秀田絹、柏岡紗季
開催時期2026年4月~10月
開催回数10回+α(メンター主催企画や自主練、遠足等)
曜日・時間土曜もしくは日曜の8:30~11:00を原則とする
メインキャンパス

・座学は、胡桃堂喫茶店(国分寺)にて。

・他に、各方面ご協力を得て、国立能楽堂(千駄ヶ谷)や梅若能楽学院会館(東中野)などをお訪ねし、バックステージツアーや、能の型を体験するワークショップなどを開催します。

卒業資格

・自分で公演を探し、自分で予約をし、誰か一人以上を連れて、能を見に行き、その感想をシェアすること。

参加費

143,000円(税込)

※本参加費に、能の観劇料(第1講、第9講)は含まれません。

※その他、費用が発生する場合は事前にお知らせします。

※分割でのお支払いを希望される方はご相談ください。

定員12名
最少催行人数5名
応募〆切2026年4月2日(木)24時
選考

エントリーフォームの内容に基づき、カレッジマスターにおいて選考を行います。
※定員内であっても、お申込みをお断りする場合があります。

・能の世界を受け身で体験するだけでなく、そこに何か感じるものがあったときには、その先のごく一部分でも何か担い、一緒につくっていく気持ちのある方からのエントリーをお待ちします。

・この講座自体も、受け身で参加するだけでなく、ここでの関係性や場を自身も一緒になってつくっていく姿勢での参加をお待ちします。

選考結果の通知

2026年4月3日(金)24時までにメールでご連絡します。

振込期限2026年4月10日(金)18時
特徴

・能楽愛好者の方々ではなく、まだ見たことがない、見たことはあるけれどよく分からないといった入門者の方々向けの講座です。

・座学だけでなく、実際に作品を見る、裏側を見る、舞台で演じてみるといった機会を通じ、全身(心と体と頭)で能を感じ、味わう連続講座です。

・能の世界を実際につくり、支えている方々と直に接しながら、その肉声や生の体験とともに、能の世界を探訪します。
・過去の「能の扉」受講者が、メンターとして学びの過程を伴走します。

・毎回、カレッジマスターによる手書きの解説プリントを配布します(予定)。

日程
(予定)

第1講 4/11(土)13:00~17:00 @国立能楽堂 「能を見る①:実際に能を見てみよう+感想交換会」*

第2講 4/26(日)8:30~11:00 @胡桃堂喫茶店 「導入:能ってなんだろう?」

第3講 5/8(金)18:30~20:30 @国立能楽堂 「能の世界に足を踏み入れる」

<メンター主催企画①>

第4講 5/30(土)8:30~11:00 @胡桃堂喫茶店 「能楽師ってどんな人?」

第5講 6/6(土)8:30~11:00 @胡桃堂喫茶店 「不思議な不思議な能の音楽」

第6講 5/20(土)13:00~16:00 @梅若能楽学院会館 「能をやってみよう」

<メンター主催企画②>

第7講 7/12(日)8:30~11:00 @胡桃堂喫茶店 「世阿弥と『風姿花伝』」*

<夏の遠足(予定)>

第8講 8/30(日)8:30~11:00 @胡桃堂喫茶店 「鑑賞前に、知っておきたいこと(能楽師自身による事前解説)」

<自主練>

第9講 9/27(日)13:00~17:30 @喜多能楽堂 「能を見る②:改めて、見てみよう+感想交換会」

第10講 10/4(日)8:30~11:00 @胡桃堂喫茶店 「能の未来に向けて」

 

「*」マークのついた講座は、一部、外部参加も受け付ける予定です。


(※日程は変更される可能性があります)
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